対位法という迷宮。
そこに至るまでの、迷路のような色彩豊かな音。
バッハは、聴いたときより、譜面を見ているときのほうが難しい、、、
でもその先、その奥に待っている音の広がり。
そして解放。音と旋律のパラダイス。
私を宇宙の音の遊びへと、いざなってくれる。導いてくれている。
飽きることのない追いかけっこ。
毎日、好奇心だらけ。面白い。
あっちこっちで、そのテーマを見つけて捕まえていくの。
一緒に遊ぶの。歌うの。
そうかと思えば、
えっ?!そんなところに隠れてたの?ずるい〜ってね(笑)
幼い頃のおいかけっこ...鬼ごっこに似てる。。。
時に、旋律と旋律が同じ線を描いたり、
また正反対の動きをしたり…絡まっている糸?を解きほぐしていく……
おいかけっこ...懐かしいなぁ。
今、それを音で遊んでる。
齢を重ねて、大人になって、もっと愉しくなった。
何故フーガの技法なのか。
15年前迄の10年間。
隠れ家もみの木で、My楽器を搬入して、毎年チェンバロコンサートをしていました。
いま15年振りに、もみの木の日として、
月一の割合で、何れかの木曜日に、シターとスピネットで、日本の作品Onlyで奏している老舗のバロック喫茶です。
忘れもしない、その前年の9年目のコンサートを終えたその日。
翌年の10年目のコンサートプログラムは何を弾こう?とふと思った時、
神さまが、
あとバッハが残ってるよね?弾いてないよね!10年目はフーガの技法!と、
耳元で穏やかに囁いたのです。
神さまはみていた!!!
青天の霹靂!
私のこころは大さわぎ(笑)
そして、まさかの展開!
終えた翌日から、もみの木での10年目コンサートに向けて、私のフーガの生活が始まりました。
その9年の間、私は、他のコンサートに於いても、バッハを弾けませんでした。彼の曲をまったく演奏していません。
その頃、
ある男性奏者さんから、
岡林さんはバッハを弾かれていないのですね。演奏されないのですか?と言われたことがあります(大汗)その通りでした。それも想い出の今は昔。
いま、日々の練習の中で、精神とこころの在り方を教えてくれます。
一言で言うと、ポリフォニー。
多声音楽が好き!と言うのを、神さまが気づかせてくれたのです。
それが、フーガの技法。
頑張っているのではなくてね。
自分を、フーガの技法に育ててもらっているような感覚。
別にバッハ弾きではない私を、フーガと言う名の宇宙に引き寄せられ、
夢中にしてくれているのです。
この年。初回は抜粋でしたけれど、オールバッハのプログラム。
人間ですから弱いです。いい時も悪い時もあります。でも、それじゃあダメなんですよね〜(汗)
気難しいけれどやさしいバッハ。
共通点は、熱くて、美味しくて、苦目のコーヒー愛飲家(笑)
当時、師匠からいただいた一枚のCD…
時折、
タチアナのピアノのフーガを聴きます。
この曲を通して神を賛美する。
祈りと安らぎ。感謝。喜び。永遠。
もみの木から始まったフーガの技法。
練習です。