13.7.18

フーガの本音



対位法という迷宮。

そこに至るまでの、迷路のような色彩豊かな音。

バッハは、聴いたときより、譜面を見ているときのほうが難しい、、、

でもその先、その奥に待っている音の広がり。

そして解放。音と旋律のパラダイス。
私を宇宙の音の遊びへと、いざなってくれる。導いてくれている。


飽きることのない追いかけっこ。
毎日、好奇心だらけ。面白い。


あっちこっちで、そのテーマを見つけて捕まえていくの。
一緒に遊ぶの。歌うの。


そうかと思えば、
えっ?!そんなところに隠れてたの?ずるい〜ってね(笑)


幼い頃のおいかけっこ...鬼ごっこに似てる。。。


時に、旋律と旋律が同じ線を描いたり、
また正反対の動きをしたり…絡まっている糸?を解きほぐしていく……


おいかけっこ...懐かしいなぁ。
今、それを音で遊んでる。


齢を重ねて、大人になって、もっと愉しくなった。


何故フーガの技法なのか。


15年前迄の10年間。
隠れ家もみの木で、My楽器を搬入して、毎年チェンバロコンサートをしていました。


いま15年振りに、もみの木の日として、
月一の割合で、何れかの木曜日に、シターとスピネットで、日本の作品Onlyで奏している老舗のバロック喫茶です。


忘れもしない、その前年の9年目のコンサートを終えたその日。


翌年の10年目のコンサートプログラムは何を弾こう?とふと思った時、

神さまが、
あとバッハが残ってるよね?弾いてないよね!10年目はフーガの技法!と、
耳元で穏やかに囁いたのです。


神さまはみていた!!!
青天の霹靂!
私のこころは大さわぎ(笑)


そして、まさかの展開!
終えた翌日から、もみの木での10年目コンサートに向けて、私のフーガの生活が始まりました。


その9年の間、私は、他のコンサートに於いても、バッハを弾けませんでした。彼の曲をまったく演奏していません。


その頃、
ある男性奏者さんから、
岡林さんはバッハを弾かれていないのですね。演奏されないのですか?と言われたことがあります(大汗)その通りでした。それも想い出の今は昔。


いま、日々の練習の中で、精神とこころの在り方を教えてくれます。


一言で言うと、ポリフォニー。
多声音楽が好き!と言うのを、神さまが気づかせてくれたのです。


それが、フーガの技法。


頑張っているのではなくてね。
自分を、フーガの技法に育ててもらっているような感覚。


別にバッハ弾きではない私を、フーガと言う名の宇宙に引き寄せられ、
夢中にしてくれているのです。


この年。初回は抜粋でしたけれど、オールバッハのプログラム。


人間ですから弱いです。いい時も悪い時もあります。でも、それじゃあダメなんですよね〜(汗)


気難しいけれどやさしいバッハ。
共通点は、熱くて、美味しくて、苦目のコーヒー愛飲家(笑)


当時、師匠からいただいた一枚のCD…


時折、
タチアナのピアノのフーガを聴きます。



この曲を通して神を賛美する。
祈りと安らぎ。感謝。喜び。永遠。



    もみの木から始まったフーガの技法。




    練習です。