20.10.12

じっくりと


スピネットの改造を開始して凡そ2ヶ月。






ずっと空っぽ状態にしていた鍵盤...
一通り全部埋め込んで、



ジャックの製作をして下さっている友人の工房に持ち込み、
詳細の打ち合わせに相方と行ってきました。





前日に、
数日前に届いていた見本のジャックにタングを固定し、
プレクトラムを入れてちょこっと音だししてみました。

思っていたより
とっても可愛くて良い音が響くのにびっくり!

ちなみに
ジャックの大きさはピッタリです。


このスピネットの場合、
鍵盤の高さや深さが音によって違うので
実際に実物を見ていただいての楽器持参でしたが、
その調整の打ち合わせもすんなりとまとまりました。


すべてが整うまで
ちょうど幼子の成長を急がず、騒がず
ゆっくりと見守っていくような感じですね。




今年中には完成するかなぁ~。
  

17.10.12

雨音

今日は雨。








レッスンを終えたあと
少しの間、自分の為に音を止める習慣があります。

その間、
聴覚ではなく今度は視覚の時間に移行します。

テレビがついていても消音にするほど、
静寂を好んでいる訳です。

人は「音(楽)」なしでは生きてはいけないと耳にすることがありますが、
ある意味「沈黙」という音も確かに存在しています。

日々、聞こえてくる生活音も大切な音の一つですね。
なくてはならない価値のある音...

その生活音でさえ
数十分、途絶える時間帯があります。


その瞬間が好きで
今日のような雨の日、リビングの大きな窓を開けて
雨音に耳を澄ましている事があります。


久々の
雨の日もいいものです。





楽器たちにとっては好ましくはありませんが...






9.10.12

トッカータ

コンサートのプログラム曲が続々と・・



私の場合、自然に曲が集まってきてプログラムが決定します。

最初にコンサートのタイトルだけ既に決まっているときもありますが...。


一度この辺で、チェンバロに転向した当時の初心に戻り、
デビューリサイタルで演奏した作曲家の周辺をと心に閃くことがありました。


今回はその中に
クリストフォリに入る時期の作曲家の作品もプラスする予定です。


初見が好きなので
まずそれで全体像を見ます。そして練習。
練習していくうちに閃きを与えられ自分の表現へとまとまってきます。

速いパッセージと音形の変化が特徴であるトッカータは
技巧的な面も要求される即興曲

譜面を読んでいく途中には
一筋縄ではいかない古楽器特有の運指法で曲を盛り上げていきます。



若い頃の初心から年齢を重ねての現在。
変わらない、変えたくないのは
魂の声を聴きながら自分の音表現をしていくということ。




5.10.12

スピネットのジャック


先月からスピネットの改造が始まっています。

兼ねてから友人に頼んでいたジャックの見本が届きました。






音を出すためのメインになる部品ですからとても繊細な作りです。
この道のプロですから流石!です。


これが完成すれば
その後は弦張り、ヴォイシングへと進むことができます。

27年前に我が家の一員になったチェンバロ(デュルケン・フレミッシュ)も
このような繊細な、幾つものプロセスを経ての完成だった訳です。

その当時、製作過程の途中、
鍵盤の色から響板の装飾画、脚のデザイン、その他、細部に至るまで話し合いを重ねながら、

発注してから半年以上・・
やっと全てが整い、完成して製作家の方が納入しに来て下さった時は感慨無量だったのを思い出します。
それは今でも忘れることは出来ません。



今回は
友人と私のパートナーのスピネットの音作りを
目の当たりにしながら完成を待つことになります。



色々な音の色での表現を心待ちにしている私です^^